やのなのねのblog

学校教員→通訳学校→インドのIT企業で通翻訳(日本語スペシャリスト)→日本・マレーシアの合弁アニメ系企業で通翻訳(通訳多め、トランスレーター)→シンガポールの日系メーカー(通訳専属)

カテゴリ: ミニ書評・映画などの感想

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2014年8月号のBig Tomorrowに、私の電子書籍に関する記事が出ています。
日本在住の方は、是非購入(または立ち読み)をお願いします。

昨年4月にインドの電子書籍を出してから1年ちょっとで
5冊を出版してきましたが、何かうれしいものです。

実はBig Tomorrowは掲載されるのが2回目です。
前回は、2013年の2月1日発行のもので
海外就職に関する記事で、インド時代のものでした。

その際に、

「インドは好きですけど、ここでなければというこだわりはないんです。
通訳のスキルが磨ければ、他の国でもかまいません」 

そのまんまで、今はマレーシアに滞在して仕事をしています。
もうすぐあの会社で仕事をして1年になりますが、
1年前よりも確実にスキルが付いているとも実感しています。

これからどうなるのか、わかりませんが引き続き努力を
重ねたいと思います。 
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3
日本で今封切られているらしい「Before Midnight」を、
マレーシアでDVDを買って観た。とても面白かったので
感想を書きたいと思います。お勧めですので、是非劇場で
観てみてください。

これ、実はシリーズの3作品目になっています。

第一作では、みずみずしい若い男女間の駆引きによる会話があった。
1


第二作では、少しスレた男女間の駆引きと会話があった。
2

こんな恋愛がしたい
こんな会話をしたい
こんな男性がいて欲しい
または
こんな女性がいて欲しい

そんな気持ちにさせてくれる、素晴らしい映画だった。
過去2本は、会話がとても知的でわくわくさせてくれる、 楽しい映画でした。

でも、両方とも非モテにして干物ライフを送る私のような人にとっては
リアルの生活ではありえない、ある意味で「ポルノ」のようなもの。

グローバル人材になる方法を書いた自己啓発本を

「キャリアポルノ」

と呼ぶ人がいるように、読んでみて「なるほど」と思っても 実際に自分が
グローバル人材になれるわけではない。 結局グローバル人材には
なれない中でなんとか 日々の仕事を一生懸命こなしているだけ。

でも、それがリアルな大人になるって事なんだよね、と。

恋愛ポルノの過去2作品をみてもあくまでも現実は変わらず、
映画が終われば現実が待っている。私も含めて現実の男は
もっと話がつまらないし、自己中心的な子供だし、 病院で意識が戻って
真っ先に確認するのは多分アレだ。 (ネタばれです、すみません)
じゃあ男が悪いかというと、女性の側だって色々問題はある。

それは今も昔も変わらない。

悲しいけど、歳月は人を変える。第三話では年をとった以上、
恋愛ポルノの要素を描いても無理がある。 かといって
「ただのリアルなカップル」も描きたくない。少しでもかっこよく、
ギリギリの割れ鍋に綴じ蓋を リアルを描いてくれた感じです。

結局人間、自分が一番可愛い。だから

「自分はこれだけやっているのにわかってくれない」

という思いがあるし、「いわないほうがいいかも」と思っていても
結局いつかは言ってしまうものだし。そういうよくあることも描かれている。
きっと、この二人はこれからも同じ事で何度も話をするのだろうけど、
矛を収めないと破綻すると分かれば片目を、または両目をつぶって見過ごす。
ざっつ夫婦であり人間関係。それを本当にリアルに描いている。

最後の10分くらいの、海辺に座るシーンが一番好きだ。
マレーシアでDVDを買ったので、日本語字幕で
どう訳されているかは知りませんが 私なりに要約すると

「何アホなことやってんの?もうやめて。」

と言われた後に、

「僕が何でこんなことをするか知ってる? 君に笑って欲しいからだよ。
こっちも色々問題あるし、 そりゃそっちも同じくらい色々あるさ。
でも、もしこんな風に 君に話しかけて、何とか取り繕おうとしてることを、
犬みたいに何度もするほど自分は惨めじゃないよ。
もし「本当の愛」って言うのが欲しいなら、残念だけどそれは君の頭の中にある
御伽噺じゃない。今、君の目の前にあるのが、それだよ。だから、気づいて。」

的な台詞がすごく好き。これをするのも、

「アホか」

と思ってものっかるのが一つの愛の形なんだろうなぁ。

ただ、こう言われてぶちきれる女の子も いるだろう。
rationalな女の子もいるだろう。でも、個人としては将来的に
これを言える関係を築きたいなぁと思う。

PS:この映画がある意味で私の「ポルノ」になるのか 「現実」になるのか、
次回作が出るなら、多分そのあたりまでに分かるかもしれませんね。

期待ですね。怖いですね。どうなるんだろう。

「こんな夫婦がいいな」という 別な意味でのポルノですか?
それとも、色々アレだけど 大事にしたい現実ですか?

お互い、いい人生を送れるといいですね。

ブルーレイ


DVD


ちなみに、前の2作もお勧めですので、両方とも観てみてください。

一作目



二作目


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この本で書いている内容は、今仕事をしているアニメの会社にも結構当てはまるので、
特にこれといって新鮮という感じではなかったというのが正直なところだけど、
ある意味そういう業界でそういう仕事の仕方をしているので仕方ない。
今マレーシアで仕事をしているのも、合弁元の日本企業から仕事を受けている
わけだからこの本で言っている流れに沿った形になる。

2Dのアニメは韓国や中国、タイに流れていった。日本で仕事をするのは
厳しくなっているが、3Dも基本は同じだ。競合は世界中にある。 

3Dアニメでは、アセットの作成はあそこに外注して、
アニメーションはあの会社で、ライティングとコンポジットはここ、
みたいに外注を使い分けるところもあると思います。
といってもいまいちピンと来ないかもしれませんが、
製造業でたとえると部品作成はA社で、組み立てはB社、
塗装と梱包はC社に頼むみたいなイメージで、どんどん増えている。

契約ベースで仕事をする人をまとめるのはこの会社では日本人ですが、
外国人の管理職も沢山いる。親会社の社員でも結構多くの人が外国人。
国籍に関係なく、仕事ができるかどうかのみが問われる世界。

そういう中で会社も個人も、どうやって少ない支出で大きく利益を
出せるかを考えながら、仕事をまわして必死に考えている。 
そして進捗や質問、報告チャットの内容に一喜一憂している。

この前、シンガポールで日系企業のCEO付通訳の仕事で募集があった。
年600万円くらいだすというシンガポールでは破格の求人だった。
これから、もしかしたらこういう案件が増えてくるのかも知れない。

自分がこれからどうして行くかというのは現時点ではなんとも言えないけど、
現実を認識した上で道を探っていきたい。日本国内のみで仕事をしていて
実感があまりない人にこそ読んでほしい。動きがないように見えても世界は動いている。

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gaiden

も研メンバーなのでデータをゲット。早速読んでみました!
良い意味で安心のクオリティで楽しく読めました。

シンガポールの小ネタ満載で、シンガで現地採用をすると
多分こんな感じだろうなぁというのが伝わってきますね。
マレーシアやインドの体験とも重なるし、実際にシンガで
就活をした体験ともかぶる面がありました。

私のブログでも現地採用と駐在の違いに関して
色々書いていますが、やはり待遇では違いがあります。

日本人駐在員に関しては、いい話も悪い話も聞きます。
ただ結局はその人の人間性によるところが多いのだなと
最近益々感じています。あとは外国人とのコミュニケーションに
慣れているかどうか、それとローカルスタッフの質も大事ですね。

ローカルがしっかりしているのでかなり助けられている面も
会社で感じますが、良い関係が出来ている気がします。

かと言って現地流に迎合しすぎても良くないし、そこのさじ加減が
やはり大事だと感じます。私は通訳ですが、良いバッファに
なれる様に状況に応じて情報を足したり引いたりすることもしますし、
駐在の人が指示を出した際に情報不足だと思えば質問もします。

「つまりAかBか、っていうことですよね?」

とか

「そこは、多分もう少し具体的に言ってあげた方が」

という感じで確認する一言を加えると結構円滑に進みます。

特に考えながら話をするタイプの人だと、考えながら話している
オーラが出ます。そうならない様な訳出にしたり、まとめたりもします。
自分の訳出だけでなく通訳する相手がよく見える様に心がけています。

もしセカ就を買うか迷っている場合は、100円のこれを
買ってみてから本編を買うというのもアリかもしれません。

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窓まぎ
会社の研修で魔法少女まどかマギカの1話2話をみた。
話があまりに面白くて、今週で一気に全部みてしまった。
 
ストーリーのネタバレはあまりしたくないので色々ぼかしながら
現地採用の自分と重なるなぁと思う所に関して書きます。
気になる人は原作をみると更に理解が深まると思います。あと、
コレ↓だと英語の字幕で観られるので、勉強にお薦めらしいです。



①契約とは相互合意による交換。代償が必要である。

魔法少女になるには、「キュゥべえ」と契約をする必要がある。
魔法少女になる前に一つだけどんな願いでも叶えてくれる、
というのが話の設定。

海外で仕事をしたい!現地採用でもいい!!

という願いを叶えるためには、日本人駐在員がもらう
レベルの高賃金ではなく安い給料で働くことを受け入れたり、
外国人として海外に住む上で感じる色々な不便さを
受け入れる必要がある事が多い。責任は自分が持つ事になる。

けど、日本人現地採用は、現地の人からするとありえない
高待遇でもあることが結構ある、というとこは言う必要がある。

言葉の定義は大事ですので、契約はご計画的に。

②奇跡を起こす(夢を叶える)には膨大なエネルギーが必要

「奇跡」を起こすというのは、本来なら(または普通なら)
起きえなかった事を起こすという事とほぼ同じだ。

教員→通訳へのキャリアチェンジ

で考えると2年間通訳学校に通って一日10時間勉強して、
実務経験積む為にインドにいって、今でもマレーシアで
自分で勉強しながら仕事してる。私と同じような道を歩もうと
するエネルギーと気力がある人がどれだけいるかは疑問だ。

その過程を私は楽しめているけど、ストレスと感じるのが普通かも。 

③「仕事」とは、結構報われない孤独な作業である

 上の絵で黄色い髪の女の子が

「魔法少女も大変なんだよ」
 
という話をしてくれる、この辺は通訳の仕事とも同じ。
基本的に、仕事はできて当然。できないなら仕事はない。

もちろんちゃんとやれば感謝はされるし嬉しいし、自分の仕事で
周りの人が動くのをサポート出来るのはとても嬉しい。
でも、ミスをおかせないプレッシャーとも常に隣り合わせ。

普通の現地採用の人でも、日本で仕事をするのと違う
ストレスを感じる事が出てくる。ローカルと日本の狭間で
悩むのは現地採用の常みたいだし。向き合う必要がある。

おまけ

それと最後にもう一つ。アジア就職のキュゥべえ的なポジションを
もりぞお氏が司っているが、彼は基本キュゥべえよりも親切。
売り込み方というかスタンスは結構かぶる所が多いけど。

セカ就を読めば、ある程度現地採用が抱える苦労がわかる。
この点はかなり良心的に話をしていると思っていいと思う。 

決してバラ色の未来が待っているわけではない、コールセンターで
日本に帰れないレベルの給料しかもらえない人もいる、という
「陰」の部分もある程度きちんと話をしているのは、フェアだと思う。
もっと悲惨な例もなくはない。どこを基準にするかはその人次第。

あとキュゥべえ的な可愛さはないけど名前がモリゾーに似てる。 

 ※一応言っておくと実際のキュゥべえポジションになるのは
ローカルの人材派遣会社ね。彼自身は情報提供のみなので。
海外就職の人が増えても特にメリットはない。情報を聞いて
決めた人から感謝されるくらいか。
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