やのなのねのblog

学校教員→通訳学校→インドのIT企業で通翻訳(日本語スペシャリスト)→日本・マレーシアの合弁アニメ系企業で通翻訳(通訳多め、トランスレーター)→シンガポールの日系メーカー(通訳専属)

カテゴリ: やのなのね通翻研究所

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※以下の記事は、あくまでも著者の想像ですので、ご了承ください。

通訳学校大手の一つ、インタースクールが会議通訳コースで
プロ選抜科を作ったそうです。

プロになり
たい人、1年たゆまず努力できる人募集

という踏み込んだ表現をしていますが、一年という短い期間がポイント。他の大手通訳学校は、こういった動きをしていないので余計に目立ちますね。これに関して私が感じたことを書きたいと思います。


①なぜインタースクールはこれを導入したのか?


インタースクールに通っている人とスカイプ相談をしましたが、その人の話によると最近は本気で通訳を目指している人よりも、通訳になるつもりはないけど英語力向上のために通ってますという受講 生のほうが多いらしいです。(実際クラスも約10名中、目指しているのは自分だけ、と言っていました)本来の通訳者養成学校ではなくなりつつあることに危機感を感じているのでは、との事でした。

 
 
ですので、やる気のある人を囲い込んで、ある程度経験を積んだ状態の人を育成したいのではないか、と考えています。
 

また、団塊世代の引退や世代交代のため人数減→人材不足を補うため、という点もあると思います。オリンピック関連で通訳市場の需要が拡大する事を考えると、更に人手が足りなくなりそうです


つまりドラゴンボールで例えると、


「来年にはサイヤ人が来るから、この1年で一人でも多く(ヤムチャレベルでも)Z戦士が欲しい」


なのです、きっと。


②本当に1年でプロになれるの?クオリティとしては大丈夫なの?


1年後のゴールが「プロ通訳」なので、フリーの会議通訳になれるとは言っていないですね。国際会議などで活躍できる人を目指してもらうという表現ですね。1年でそのレベルまでいく、とは決して言っていないのがミソ。


以前週刊Abroadersの記事でも書いたように、日本の通訳市場ではポテンシャル採用がほぼありません。確実にタスクをこなせる安全なレベルの人のみを斡旋する傾向があります。しかし、逆にインハウスの仕事で求められる内容は、現場経験と背景知識で何とかなる部分が結構あります。語学の基礎力がある人を選んで、磨きながらしっかりと勉強させれば1年で社内通訳なら理論上可能、というのは理解できます。


社内通訳の仕事を斡旋すれば「プロ通訳」にしたと主張できるので最低の保証としてはOKですし。

③そこを出たら、どんな仕事がもらえるの?

スキルに応じてとなると思いますが、en派遣では2000円前後の仕事が全体の中では多いので、その辺ではないでしょうか。市況からも通訳翻訳の給料が微減となっており、通訳翻訳で高時給の案件が減っているため、インタースクールもある程度売り上げを頭数で確保する必要が出たのかも知れないですね。

今、企業が求めるのは高単価でスキルある人よりも、そこそこの単価で最低そこそこ以上、できれば同時通訳もできて文句を言わない人だと思います(そんな人は滅多にいないので無理ですが。そこのゾーンでボリュームが欲しいのだろうから、戦略としては相当ありだなぁ、と思っています。

1年でも大丈夫なら、本科は2-3年かかるのは何故?

悲しいですが、私のような日本で教育を受けた「普通の英語ができる人」だと、ある程度長期間勉強した人でないと、危なくて日本市場では社内通訳としても使えないのではないでしょうか(海外は随時ウエルカムなのですが)。一方、素質がある人の方が`短期間で売れるレベルの人になる確率が上 がります。そういった人に手間ヒマかけるほうが、資源のより有効な活用という点では正しいですね。

または、こんな感じのラーメン屋に似てるように見えるのは気のせいでしょうか。

⑤スクールの売り上げが減るのは良いの?

むしろ、通訳としての早期稼動による刈り取りを目指していると思っています。例えば英語圏の大学&院を出た、通訳学校の生徒で比較的英・日両方のレベルが高い人が、通訳になりたくて学校にきたとします。

この人に関して、会社として売り上げが立つのは以下3個です。

A テスト費用&入学金
B スクールへの授業料(在籍し続ける限り)
C スキルが上がってから企業に派遣する事で、派遣会社としてもらう報酬(派遣で仕事をする限り)

以前は、素材として良い人にもBで2-3年ほどスクールに通ってもらって、お金を落としてもらっていました。しかし、上記①と②の背景があるので、Bを削ってもCで売り上げを立てればOK、実務経験を積んだ人のリストを増やせればなお良し、という戦略に切り替えたのではないでしょうか。

更に、3年という短期でみれば収入は増えそうです。

スクールに通う場合

学費 1年で約55万円
学費 短期コース約18万円

合計 約73万円×3年=約220万円

プロ選抜科&2年仕事

学費 1年で68万円

で、仕事をもらうとします。

時給2000円の仕事だと×8時間×5日×4週間×12ヶ月で年収は3,840,000円です。
このうち派遣会社の取り分は30%として、1,152,000円です。

合計 68万円+115万円×2=約300万円

プロ選抜科だと、2年間の仕事期間に教室にもう一人多く入れることができるようになるので、経営的にもいいですね。先生の人件費も無いですし。

感想


これを業界トップのサイマルなどがやるとびっくりですが、ペプシ的なインタースクールがやるあたりが戦略的で好きですね。財務的にも人材育成的にも、正しい判断だと思います。

ただ学校利用者視点からすると、クラスに自分よりも上手い人がいて半歩先のパフォーマンスをしているのが刺激になるのですが、そういう機会が減ってしまうかもしれない、というのは残念ですね。

このクラスに入っている人がいたら是非ご連絡をいただけるとうれしいですね・・・。
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今日はうれしいお知らせがありました。

以前スカイプ相談をした人が、通訳業務が2割くらい含まれるプロジェクト付の
翻訳の仕事を東京でスタートすることになった、と連絡がありました。

8か月間別な会社で同じようなプロジェクト付の翻訳をやってきて、
少しづつシステム開発やプロジェクトの動き方など知識はつけられたので、
背景知識で足りないスキルを補うことができるかなと思って
思い切って飛び込んでみることにしました!

この職場で向うから切られない限りは、最低1年は頑張って
学校にも通いつつスキルを上げて、さらに通訳の分量が多い
仕事に移っていきたいと思っています。

との事でした。すばらしい!!

少しでも早く上に行きたいというのは誰しもが思いますが、
簡単にはいきません。 私も2年間インドで翻訳をして、
少しづつ実績を積み上げてから通訳の仕事をしたというように、
一歩一歩ステップを上がってきました。

採用側を一番安心させるのは

「自分はこの仕事を前の職場でやっていました」
「前の職場でやっていた~の延長なのでOK」

といえるか(とスキルテストの結果がそれに見合ってるか)
なので、常に研鑽して、努力を重ねることが必要ですね!
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シンガポールの求人で面白いものが。

①同じ日に出た募集
②同じ求人(多分)

なのに

①派遣会社によって説明の詳細内容が結構違う
②給料範囲が結構違う
③下手をすると職務内容説明の印象も変わる

とりあえず紹介します。まず一社目。


インテリジェンスアジア


【ポジションタイトル】 
Editorial Staff

【仕事内容】
日系有名メディアの編集業務を行って頂きます。
1)英語記事を日本語記事へ翻訳
2)日本語の文章を執筆し原稿作成
3)英語の記者会見を日本語に要約

【給与】
S$3,300~(ご経験により)
       
【応募資格】
1)英字新聞を読解し、日本語へ要約することが出来る方
2)翻訳経験の有る方
3)英語ビジネスレベル

【推薦ポイント】
英語力を活かせるポジションです。シティ、駅前のビルで通勤便利です。

続いて2社目

TEXSEAR(テクシアー)

【Job Responsibilities / 職務内容】
・主に翻訳業務
ニュースなど記事の翻訳 英→日。
・状況に応じて支局長のサポート(支局長の希望としては、サポートとしてインタビューを任せたり、取材もサポートしていただきたい)←状況により。

【Requirements /応募資格】
・TOEIC900以上
・文章の作成がうまい人
・翻訳経験者
・日本人男女、40代前半ぐらいまで
・ワークパスが取得が必要な方は大卒以上
・ニュース記事や本などの翻訳経験があると良い

【Salary・Job Compensation / 給与、その他待遇】
SGD3500~4000まで

という感じでした。両方読むとちょうど良いですね(笑)

純粋に求職者の視点で見たときにどちらから応募するか、と考えるとじゃあ

高いほうで・・・

となりそうですよね。ですが、ちょっと待ってください。

自分の 市場価値がどのくらいかを考えてみてください。もし、自分の価値が高いほうに(4000SGD目標?)見合うと思うなら、絶対そちらで出したほうがいいです。

ただ、もし自分の価値は 4000SGDはないけどこの仕事がどうしてもしたい、という感じならあえて安いほうでエントリーしてみるのも手かもしれません。平たく&悪く言えばダンピングですが、安めの自分と高めのほかの人を比べてどちらを採用するかは人事や採用の人が決めることです。「採用される」を第一目標にするなら、可能性を減らさない努力としてはありかもしれません。ただ、自信が無さ過ぎるのも良く思われないので、さじ加減が大事かもです。

大体派遣会社も月給~か月分といった感じで紹介料をもらうので、派遣会社的にも給料は多いほうがいいと思います。それと、大体は派遣会社から

「いくら欲しいですか?」

と聞かれます。もしFace to Faceなら

「職務内容と自分の経歴などからして~位かと思いますが、どうでしょうか?」

位は聞いてみてもいいと思います。その返事(表情や発言、空気)から妥当な額を探すというのが現実解です。ただ、海外就職は結構メールベースで話が進むことが多いので、そこは結局は自分で見極めるしかないかなぁという感じもします。

他のエントリーしている人の相場より自分のスペックが低い&給料希望が高いと、募集している会社の採用担当者に見てもらう前に派遣会社の書類審査で落ちます。募集企業の人にまず履歴書を送ってもらう事を優先するなら、セルフダンピングは戦略としてはありかもしれません。

とはいえ内定が決まってから

「他社だとこの給料だったので、これでお願いします。」

は、多分後だしジャンケンはなはだしいので辞めたほうが、とは思います。自分の相場と相手の相場を上手くすり合わせられないとお互い不幸になりますからね・・・

※あくまでも私の肌感覚の話です。人材派遣会社などを実際に経営している、または人材会社で仕事をしていた人でおかしいなぁと思う記述があると思われた場合、教えていただけると幸いです。
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最近、日本の通訳学校で勉強している人から相談を受けることが少し増えてきました。通訳学校・翻訳学校に関して、私が感じていることを少しまとめたいと思います。

①とても勉強になるので、希望者は本気でやりたいなら絶対スクールに通って勉強したほうが良い。週2回、一回2時間とかですが、勉強の仕方を教えてもらえる点と、勉強をした結果どれだけ伸びたかの効果測定ができるので。あとはコネができるので。

②ある程度のレベルまで行かないとスクールが運営する派遣会社からフルタイムでの仕事は紹介してもらえないです。例えば、

海外経験あまり無いです
TOEIC900超えてます
一応英文事務しています

といった感じだと最初は単発のアテンドから。そこから普通の日本人が這い上がるには、年単位での勉強が必要(時間・労力・資金が必要)。

ただ、スクール側の品質保証という点ではこうなるのは理解できるし、自分が運営する立場でもそうするので仕方が無いと思います。

③良く日本では言いますが「英語で仕事をする」から「英語を仕事にする」の間はとても広くて深い。

一つの会社でやっていくのであれば、長く在籍して仕事をし続ければ背景知識やコンテクストが分かるので適応可能。ある程度戦力になる。しかし、実務をするのがある意味で最短ではあるものの、総合力というか真新しい分野になったときなどの適応性で見ると、結局は座学の投入時間は裏切らない。やったものが勝つと思う。

といった感じでしょうか。日本市場ではこんな感じ、アジアでは結構違いますよーといった話をしたところ、以下のような返事をいただきました。

本日はお忙しいところ、
スキルチェックやご相談に乗って頂きましてありがとうございました。
ご経験談もとても参考になりました。アジアでの就職活動も選択肢の1つとして考えてみることにし、
これからサイトもマメにチェックしてみるようにします。

本日は面識もなかった私のために貴重なお時間を頂き、本当にありがとうございました。


本当に選択肢として考えてみるのも悪くないと思います。 
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何かと物価が高い(特に家賃)といわれるシンガポール。
通訳の中でもかなり高いスキルが求められる同時通訳ができると
どのくらい給料をもらえるのかを調べてみました。

たまたま今の時期に求人が重なっていたので紹介します。

①秘書業務込み、金融経験や資格など必要

【仕事内容】
- 日本人MDの会議通訳(周辺国への同行出張あり)
- スケジュール・アポイントメント管理
- 会議資料の翻訳(主に英語→日本語)
- メール、電話対応


給料が6500SGDとなっています。
円安の今、日本円換算すると月給で約58万円です。

ちなみにこの案件、ここ数ヶ月見つかっていないように見えます。
多分、相当困っているのでねらい目かもしれません。

②ローカルの飲食企業が日本に進出するサポート

【業務内容】
日本進出を狙うローカル企業において、日本進出に向けたプロジェクトに参加いただきます。
会議等での通訳(同時通訳レベル)を含み、プロジェクトの成否をかけた重要なポジションです。

【応募要件】
<必須>
・これまでプロの通訳家として活動してこられた方(国際会議等の重要な会議での同時通訳経験必須)
・業務スピードが速い環境の中で、業務の優先順位付けをしっかりと行い、マルチタスクをこなせる方
・出張同行やゲストのアテンドなどもあるため、柔軟にご対応いただける方


給料がUp to 7000SGDとなっています。
円安ですが日本円換算すると月給で約63万円です。

ただ、Up toなので最初からこの額になることは難しいと思います。
2割引き5500SGDでも 約50万円になります。

マレーシアの派遣会社の人に以前相談してみたところ、

「在マレーシアの日系企業の視点からみると、同時通訳が
できるレベルの人をマレーシアで雇えると思っていないので
市場が無い。なのでマレーシアでの相場も無いし、求人も無い。」 

といっていました。今のところ、東南アジアで
同時通訳レベルの募集があるのはシンガポールだけのようです。 

東南アジアの通訳翻訳労働市場動向をウォッチしていると、
こういったハイエンドの求人は年に数件しか無い印象です。
日本でこのレベルの仕事をしている人で、興味があれば
シンガポールで仕事をしてみるのもいいのではないでしょうか。

ちなみに私はまだまだこのレベルには手を上げられないので、これから頑張ります!!
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