やのなのねのblog

学校教員→通訳学校→インドのIT企業で通翻訳(日本語スペシャリスト)→日本・マレーシアの合弁アニメ系企業で通翻訳(通訳多め、トランスレーター)→シンガポールの日系メーカー(通訳専属)

カテゴリ: 狂犬病対策日記

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前回の続きです。

今日はあの日です。そう、狂犬病ワクチン接種の日です。

家の近くの病院に予約をしてみたところ、 
「狂犬病ワクチンは、政府系病院かマラヤ大学(日本で言う東大)病院のみです」 

とのメールがありました。 

というわけで、まず行ったのがマラヤ大学の病院です。
受け付けの写真
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誰もいない・・・なにやら今日はホリデーだからやってないとか。
いやいやいや、今日注射しないとマズイから、うたせてよ。
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 で救急の方に行くと、

「ここはストックが無いから、クアラルンプール病院行って」

といわれました。

で、KL病院行ってきました。結論から言うと、在庫ありませんでした。
典型的な、たらいまわしですな。愛犬家の知り合いによると

「マレーシアはほぼ狂犬病撲滅してるからねぇ」

とのこと。良いことだけど困るんだな、こっちからすると・・・

すでにこのとき昼の12時。あと5時間もすると病院は閉店。
いっそ、シンガポールに飛ぶか?とかも考えました。
クアラルンプール病院の医者に調べてもらったところ

KLCC メディカルクリニックに行けばあるよ」

といわれ、タクシーに飛び乗る。しかしドライバーは

「「KLCC メディカルクリニック?なにそれ、おいしいの?」」 

状態。とりあえずKLCCまで行ってもらって、車の中で対策を練る。

①同僚に電話して調べてもらう
→電話のチャージ切れ。電話使用不可

②タクシードライバーは渋滞につき、能天気に安物NOKIA で通話。
→3Gスマホなんてない

時間だけが刻々と過ぎる・・・俺、大丈夫だろうか。

そのときKLCCのツインタワーが近くに見え、ふとホテルを発見!
そこで下車して、ホテルでついでにトイレ使用&ガードマンに質問。

「今日中に注射しないと、俺死ぬかもしれないんです。
お願いだから助けてください、調べてください!」

と本気でいったらタブレットで調べてくれました。感謝!!
調べてもらったところ、あのツインタワーの中だった。
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それもKLCCのショッピングセンターの中(4F)だった。中はきれい。
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なんとお湯と水が飲み放題
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さらにコーヒー3IN1(顆粒コーヒーとミルクと砂糖がセットで入ってるの)とか
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インターネットまで自由に使用可能(日本語入力・表示不可)。
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この病院、カトマンズで昨日行ったのとまったく違います。
犬に噛まれた痛さと怖さが忘れられず泣き叫ぶ子供がいない。
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掃除のおばちゃんが無駄に多く常にピカピカ
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こういう色づかいとか何か高級感ありあり。

でもーお高いんでしょう?

驚きの価格でした。ジェネリックで600円だったワクチンが、
クアラルンプールに来て純正品だと

480RM(約16000円)


仕事はじめをML (Medical leave, 傷病休暇)として遅らせて
ネパールにもう一週間いればよかったかもしれない・・・

皆さん、命>お金だから仕方ないんだけど、 もし狂犬病キャリアっぽい
野生動物(サルなど含む)に噛まれて保険とか入ってないみたいな場合は、
マレーシアやシンガなどでなく、インドやネパールに移動したほうがお得です。 
お金だけ見ればね。ジェネリックどうなのよっていう話も無いわけではないですが。

ちなみにERIGやHRIGはこの病院ではストックしていないようです。
(ほかの病院にはあるとか)もしネパールでうって出国してこなかったら、
どうなっていたことか・・・
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前回の記事はこちら。

マレーシアに戻りました!


犬に噛まれると5回のワクチン接種が必要、というのは有名です。
(最近は4回でOKという話もあるらしいですが)
また狂犬病にかかると、現代医学で治療不可なので必ず死にます。

昨日ネパールの病院でとった写真がトップにありますが、
5回ワクチンを病院でうつだけでは、十分でない場合があります。


ワクチンとは、抗体を体内で作るものです。狂犬病のワクチン接種から
体内で抗体ができるまで、一週間以上かかるそうです。

つまりその間に実は感染していたら、後で発病です。
ということは死にます。


では、体内で抗体を生産するまでの「つなぎ」はどうするか?
以下2つの薬品(血清)のどちらかを接種すれば、OKだそうです。

①ヒト抗
狂犬病免疫グロブリン[human rabies immunoglobulin : HRIG]
②ウマ抗狂犬病免疫グロブリン[equine rabies immunoglobulin : ERIG]

しかし、①は値段が3000~4000USD位するそうです。劇高!!

ちなみに①の治療をネパールでする際には
病院から1500~2000USDを請求されました。

命は金にかえられない、と思って①を接種することで
腹をくくったのですが、思わぬ情報がありました。

家族の知り合いにネパール人がいて、 その人によると

「ネパール人はもっと安く治療してるよ」

との事で、政府系の病院に連れて行ってくれるとの事でした。
そこの病院では、ERIGを積極利用していました。
(というかHRIGなんて一般ネパール人の年収を軽く超えるので買えない)
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これも、前回紹介したワクチンと同じくインド産。
安くて良質な薬品を
販売する
インドの製薬会社には感謝しきれません。インド、見直した!

前回見せたように、これくらいの傷で(Stage2)噛まれた後の
対処がよかったので本来はERIGも不要との事でした。
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ちなみに横浜市衛生研究所によると
ステージ2は

ただちにワクチン接種を開始するが、
10日間動物が健康であるか、剖検して狂犬病が
否定された場合は中止する


との事でしたが、私の場合噛んだ犬が狂犬病かどうかは
もう確認できません。万が一を考えてERIGを接種しました。

ERIGとHRIGは、効果はほぼ100%同じらしいです。

(ネパールで複数の医師や病院勤務者が発言していました)
ただ、約1%の人にアレルギー反応が出るらしいですので、
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本格接種前に、一回アレルギーテストで少し注入してみて
問題が無ければERIGの本格注入になります。
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患部近くに、ガッツリ入れてもらいました。支払いは病院利用費
なども合わせて2000ネパールルピー(約2200円)ほど。
これであとは4回ワクチン接種でOKです。

私の体験から、以下のことが言えます。
 

①海外で犬にかまれたりすると
HRIGを使用して高額請求しようとする病院がある
②ERIGを利用したい、と言わないと病院によっては説明しないこともある
③少なくとも、ネパールに行けばERIGを接種可能。

あとは、噛んだ犬が誰かの所有だった場合、ワクチン接種してるかの確認と
10日間モニターをお願いするのは地味に大事ですので、できればしましょう。

バックパッカーが旅行中に犬に噛まれて高額請求され保険が無い場合、
さらになぜかERIGがうちの病院には無いとかいわれた場合、静かに
飛行機チケットを買って速攻でネパールに行け!と個人的には思います。

ERIGを接種して効果があるのは
1週間、
それも「なるべく早く」が望ましいらしいです。

もしかしたら接種しなくてもOKかも。
でも、接種しないと死ぬかも。あなたなら、どうしますか?

ネパールでの狂犬病体験から電子書籍もだそうと思いますが、
コアの情報は以上のようにブログで共有しました。
情報は力だと、この一件で改めて思わされ、海外在住や
バックパッカーに知らせる必要があると思ったからです。

なぜか、病院によってはHRIGしかおいていない所もあります。
海外旅行保険とかビジネス的な面とかで色々アレです。 

追記

日本ではHRIG,ERIGともに認可されていないので、使用できません。
もし
海外で狂犬病の犬に噛まれてHRIGまたはERIGをうたないまま
帰国した場合、5回ワクチンをしても助からない可能性もあります。


※この話はネパールの病院で聞いた話をまとめたものです。
内容などに間違いがある可能性もありますので、もしも噛まれた場合は
医療関係者に相談して、自分で判断をしてください。
このブログ記事によって何らかの問題が発生したとしても、
一切の責任は負いかねますので、ご了承ください。

この経験を活かして本を書きました。狂犬病関連で
ネパールのローカルが行く病院の記事もあります。




ちなみにこの本、瞬間最大風速ですが
ついに一位!
海外旅行ガイドで一位になったこともあるんですよ!
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新年明けましておめでとうございます、今年もどうぞよろしくお願いします。
みなさん、年越しはどちらでされましたか?

私の年越しの舞台は、ヒマラヤの山々を
向こうに見るネパールの山荘。暖かい暖炉の前で
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客は日本人がほとんどでお酒を飲み語り、楽しい新年を迎えました。
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ヒマラヤからの初日の出を、皆さんと寒い中毛布に包まって迎えました。
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いい気持ちでミニトレッキングに。トレッキングというよりは
田舎の山道をハイキング感覚で歩きました。
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その際に人の家の前を通ります。肌感覚ですが、ネパールの田舎では
10軒中2軒は番犬をかっている感じです。100軒くらいの前を通りました。
そのうち約20軒位が 犬を飼ってた感じです。その内3匹位が、
結構機嫌が悪かったです。石を投げたりして威嚇して撃退。

犬はこんな感じで放し飼いです。
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2匹は追い払いましたが、その内1匹から噛まれました。
ノーマークのところをいきなりやられました。あんまり
ほえてなくて、近くに着たらいきなりでした。お前はワニか!

今まで数々の野良犬に吼えられても撃退してきました。
インド時代の2年間もその後のマレーシアも、旅行先でも、
犬に噛まれたことはありませんでした。でも今回は別でした。

こうなるともはや交通事故のようなものです。

家の人は申し訳なさそうに、丁重に消毒をしてくれました。
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でもね、何をしてももう手遅れだから。
汚れちまったかもしれないんだよ、アタイの体は・・・

とりあえず人がたくさんいるところを目指して歩くと
たまたま村の簡易治療所が。
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ラッキー!看護婦さんがいて、
診療所で破傷風ワクチンは注射してもらいました。
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大体、噛まれて30分あとなので問題はないと思います。
破傷風のワクチンは60円ほどでした。激安・・・
村の人のために用意したものを私が使って、なんかごめん。

狂犬病は24時間以内のワクチン接種でOKだから
このまま観光を続行してお寺に行ってからワクチンを
うちにいこうかなぁとか考えていましたが、まぁ万一を考えて
すぐに病院にいきワクチンを打ってもらいました。
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大体噛まれて2時間半くらいあとです。ちなみにインド産の
ワクチンで一回600円ほど。この間に2時間あったのは
バスを乗り継いだり、いろいろで遅れました。

調べたところ、私が狂犬病の予防接種をしていないので、
ワクチン接種は合計で5回必要なようです(残り4回)。
マレーシアに戻って最初にすることは病院でワクチン接種・・

年始早々からこんなことがあるということは、
残りの364日でいいことが待っていそうですね(涙) 

続きはこちら 
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