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前回の記事はこちら。

マレーシアに戻りました!


犬に噛まれると5回のワクチン接種が必要、というのは有名です。
(最近は4回でOKという話もあるらしいですが)
また狂犬病にかかると、現代医学で治療不可なので必ず死にます。

昨日ネパールの病院でとった写真がトップにありますが、
5回ワクチンを病院でうつだけでは、十分でない場合があります。


ワクチンとは、抗体を体内で作るものです。狂犬病のワクチン接種から
体内で抗体ができるまで、一週間以上かかるそうです。

つまりその間に実は感染していたら、後で発病です。
ということは死にます。


では、体内で抗体を生産するまでの「つなぎ」はどうするか?
以下2つの薬品(血清)のどちらかを接種すれば、OKだそうです。

①ヒト抗
狂犬病免疫グロブリン[human rabies immunoglobulin : HRIG]
②ウマ抗狂犬病免疫グロブリン[equine rabies immunoglobulin : ERIG]

しかし、①は値段が3000~4000USD位するそうです。劇高!!

ちなみに①の治療をネパールでする際には
病院から1500~2000USDを請求されました。

命は金にかえられない、と思って①を接種することで
腹をくくったのですが、思わぬ情報がありました。

家族の知り合いにネパール人がいて、 その人によると

「ネパール人はもっと安く治療してるよ」

との事で、政府系の病院に連れて行ってくれるとの事でした。
そこの病院では、ERIGを積極利用していました。
(というかHRIGなんて一般ネパール人の年収を軽く超えるので買えない)
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これも、前回紹介したワクチンと同じくインド産。
安くて良質な薬品を
販売する
インドの製薬会社には感謝しきれません。インド、見直した!

前回見せたように、これくらいの傷で(Stage2)噛まれた後の
対処がよかったので本来はERIGも不要との事でした。
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ちなみに横浜市衛生研究所によると
ステージ2は

ただちにワクチン接種を開始するが、
10日間動物が健康であるか、剖検して狂犬病が
否定された場合は中止する


との事でしたが、私の場合噛んだ犬が狂犬病かどうかは
もう確認できません。万が一を考えてERIGを接種しました。

ERIGとHRIGは、効果はほぼ100%同じらしいです。

(ネパールで複数の医師や病院勤務者が発言していました)
ただ、約1%の人にアレルギー反応が出るらしいですので、
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本格接種前に、一回アレルギーテストで少し注入してみて
問題が無ければERIGの本格注入になります。
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患部近くに、ガッツリ入れてもらいました。支払いは病院利用費
なども合わせて2000ネパールルピー(約2200円)ほど。
これであとは4回ワクチン接種でOKです。

私の体験から、以下のことが言えます。
 

①海外で犬にかまれたりすると
HRIGを使用して高額請求しようとする病院がある
②ERIGを利用したい、と言わないと病院によっては説明しないこともある
③少なくとも、ネパールに行けばERIGを接種可能。

あとは、噛んだ犬が誰かの所有だった場合、ワクチン接種してるかの確認と
10日間モニターをお願いするのは地味に大事ですので、できればしましょう。

バックパッカーが旅行中に犬に噛まれて高額請求され保険が無い場合、
さらになぜかERIGがうちの病院には無いとかいわれた場合、静かに
飛行機チケットを買って速攻でネパールに行け!と個人的には思います。

ERIGを接種して効果があるのは
1週間、
それも「なるべく早く」が望ましいらしいです。

もしかしたら接種しなくてもOKかも。
でも、接種しないと死ぬかも。あなたなら、どうしますか?

ネパールでの狂犬病体験から電子書籍もだそうと思いますが、
コアの情報は以上のようにブログで共有しました。
情報は力だと、この一件で改めて思わされ、海外在住や
バックパッカーに知らせる必要があると思ったからです。

なぜか、病院によってはHRIGしかおいていない所もあります。
海外旅行保険とかビジネス的な面とかで色々アレです。 

追記

日本ではHRIG,ERIGともに認可されていないので、使用できません。
もし
海外で狂犬病の犬に噛まれてHRIGまたはERIGをうたないまま
帰国した場合、5回ワクチンをしても助からない可能性もあります。


※この話はネパールの病院で聞いた話をまとめたものです。
内容などに間違いがある可能性もありますので、もしも噛まれた場合は
医療関係者に相談して、自分で判断をしてください。
このブログ記事によって何らかの問題が発生したとしても、
一切の責任は負いかねますので、ご了承ください。

この経験を活かして本を書きました。狂犬病関連で
ネパールのローカルが行く病院の記事もあります。




ちなみにこの本、瞬間最大風速ですが
ついに一位!
海外旅行ガイドで一位になったこともあるんですよ!