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とある人が色々とあって通訳に入ったのですが、
ものすごく抽象的に言うと日本人の駐在員が

「言われたこと以上のことをできないと、やっていけないよ」

と言うのに対してローカルの人が

「言われたことを忠実に実行しようとして何が悪いんですか?」の

日系マインドVS海外ローカル人材

による電流爆破デスマッチ(やや平行線)という
割と海外進出した日系企業でならどこでも見るやりとりを通訳しました。

結論から言うと、ローカル側の人の落ち度なんですけどね。
言われたこともできてないし勤務態度とかアウトプットとか、
個人的事情とか色々改善の余地がありすぎる。

でも、日本側に落ち度がまったくないとも言えない。
(まぁその落ち度も個人的問題とかではなく諸事情によるのでアレですが)
落ち度を比率でいうとローカル:日本で9:1くらい。
でもこの1は相当根が深いと思う。

「言われたこと以上の事をしないといけない」とは何か?

日系企業にありがちなフワフワしたJob Description に明記できない
この曖昧な事が出来る人が日本では評価されます。何となくそこを感じて
空気を読んでやらないといけないことを言わなくてもやってくれる人とか、
日本で評価されるじゃないですか。でも海外でできる人を探すのは難しい。

「ついでにこれも」

って上司がその場で思い出した面倒なかなり重たい仕事を投げても、
そこから色々推測して動いて結果を出してやってくれるのがいい人、みたいな。
そうなって欲しい際に、日本でよくある叱り方としては

「ほかの人はこんな風にしてる」

と例示するやり方があります。分かりやすいし、いいですね。

例えばうちの会社は新人でもかなり遅くまで残って
仕事をしている人が数人いる環境だったりするとします。
人によってはマレーシア人でも日本人的仕事の仕方をしながら

「絵づくりができて楽しい〜」

という変態もいるかもしれません。そういう人はガッツがあり気合で数をこなして
勝手に伸びていくでしょう。私からするとこういう感覚がマレーシアでも見られるとしたら
ちょっと異常なのですが、

「そんな人を例に出しても特殊な例じゃん」

とか思ってしまうのも自然かもしれませんね。そんな人に対して、
更に「アーティストとは」といった話をしたりします。

「上手くなりたい、良い絵を出したい」
これはあくまでも自然の欲求。というかデフォだろ。

といってみたらどうなるかな。
まぁ伝わらないよね、言ったとしても。

「それがこの業界の人だから、ほかの人と相談したり技を盗んだり、
というのは言われなくてもするのは普通。」

「むしろ上司の俺を超えてみろ!」

なんていう事を言ったりした日には

「無理っす」

としか思わないですからね。何が言いたいのか、
とか逆に思われてしまう可能性もありますから。

「そういう環境でプロフェッショナルは培われるものだ」

という感じだったりするかもしれません。

実際、会社が大きくなるのはそういう人(ある意味変態)を集めて
変態同士でインスパイヤしあってるからなわけで、良い意味で頭おかしい
人の集まりなんですよ。そういう空気は本当にスゴいし尊敬する。
まぁ、世界的にも成功している会社の上の方は変態の巣窟ですからね♪

「熱意があれば死ぬ気でやる」⇔「言われたことをするようにします」

の認識の違いは埋まるのかな?と思いますが、
どう考えても埋まらないと思います。理由は

①教えるのに手間ヒマかかる
②習得に時間がかかる
③変わる保証はない

なので、出来そうな人にやらせるのが吉ですね〜♪

駐在の人は結構こういった問題にもかなり冷静に対処していたので
そのへんは結構わかってて素敵だなと思いました。淡々と相手の
思想やメンタリティを吸い上げて、今後の参考にしていました。
この一件から日本人側に必要だなあと思った心構えをまとめると

①言い訳を許さない日本と言いわけでなんとかごまかせる文化の違いを割り引く

言葉よりもアウトプット(結果)で判断すべしという感じです。
大事なのは事前に相手にすべきことの通知を徹底して言い訳できない
様にしておき、証拠も残し、相手にもやればできたのに自分がダメなので
できなかった、とおもってもらえるようにする。カルトか。

②激詰めをしない

こっちの人は詰められるのに慣れてないので、
ソフトにした方がいいでしょう。たまにそのへんを無視して
みんなの前でケチョンケチョンにした結果、訴えられたり
復讐されたりとか聞きますので、ほどほどに。

③静かにポジションを変えて出来る人を取り立てる

できない人を叱ってできるようにする暇があったら、
ほかにできそうな人に時間を割いたほうがいい。
あとは、配置転換をするならなぜそう評価するかを
クリアにした上で、相手に納得してもらう事が必要。

もしできそうな人材がいないなら採用か運営か給料か
仕事に問題があるか会社に魅力がないかとかだと
思うので、他の問題を解決する必要がありそう。

会社としてそういうプロとしての闘魂を注入したい
方針のようなので、全体的に大変だけどそれなりに
まとまってやってる感じなので素晴らしいと思います。
結局熱意が無いと伸びないのは事実だし、熱意がある人を
鍛えて重用する、ない人でもそれなりに頑張ってもらう
というのが定石だと思います。

「この業界ってやっぱキツイですか?」

という質問をするなら

「君はこの業界に入らないほうがいい」

と答える業界かもね、とそこそこ上の人が言っていましたが、
ガチでそうなんだなと思います。

こんな感じだから大変だけど、仕事は今日も楽しいです。