画像 966
先日、コンドミニアム内でバスケに行くアフリカ系の人を目撃。
私もバスケをしたいので場所を教えてくれ、と聞いたら


「待ってるから準備して来なよ」

と言われたので着替えて一緒に行く事に。

コートに着いたら私と彼の2人しか居なかった。
シュートの成功率もスピードも、レベルが違う。
1on1でボコボコにやられた。世界が違うとしか思えなかった。

奴らの運動神経は異常。

そんな彼はガーナ出身。親はパイロットをしているようで、
ヨーロッパにも親戚がいて遊びに行ったこともあるらしい。
兄弟には、国外で仕事をしている人もいるようだ。
しっかりと教育を受けた事は英語からも想像できる。
英語とフランス語を話す国際人、といった感じの28才。

マレーシアの大学で経済系の2個目の学位を取得し、
将来はオーストラリア で仕事をしたいと言っていた。

それと、誇らしげに面白い事も言っていた。

「自分は、学費などを出していない。奨学生だ。
それも、勉強でなくバスケで勝ち取った奨学金だ。」

それじゃあ、俺が勝てる訳がない(涙)

日本のスポーツ界でも外国人留学生の流入が激しい。セネガル人
留学生が高校バスケットではセンタープレーヤーとしてスカウトされる。
ケニヤの生徒が冬の高校駅伝では学校の代表として、都大路を走る。

色々な意見はあるものの、私はこれはこれで良いと思う。
日本では留学生の活用に関して

「1チームに00人まで、公式試合に出られるのは00人まで」

といった決まりがあるところもあるが、 マレーシアの大学バスケには
こういった決まりはないらしい。なので状況によっては

マレー人5人VSアフリカ系プレーヤー5人

なんていう展開もありえるらしい。南無。
画像 968

彼は休日には子供にバスケットを教えている。

「インターナショナルスクールで教えてるけど、
日本人の女の子がいてね。今は夏休みで帰ってるけど、
背が高くて左利き。飲み込みが早いから、あいつは上手くなる」 

などと、楽しそうに語ってくれた。他にも、小学生向けなど
色々な所で教えているらしい。本当にバスケットが好きなようだ。

 「バスケで奨学金もらってるからやるけどさ、本当は
試合でやりたくないんだよね。ってか、コーチから今更

「スタミナがないからもっと走れ」

とか言われたくないんだよね。まぁ、でも奨学生だから
仕方ないんだけどさ。こんなことを、お前にいっても
しょうがない愚痴なんだけどさ。好きなときにフープの
あるとこに来て、自分の好きなようにやれればもう
満足なんだよね、俺的に。正直、なんかもうしんどいわ。」

との事。スポーツで奨学金を得て外国の学校に行き、
卒業をして外国で暮らす。これがある意味では
アフリカの人の生存戦略でもあるのだなぁ、と。

オリンピック前には国籍を変える選手が世界中で続出し、
「国」の威信をかけた戦いに挑む。
「大学」の名誉をかけ、また次年度に良質な選手を
入学させられるよう広告として、という大学の生存戦略のため、
アフリカから留学生がマレーシアにやってくる。
(それが生徒増加につながるかは正直不明だが。)

その共生に、文句はない。ただ、一つだけ彼と私の
共通点がある。

「夢を叶えるために、多少の我慢はやむを得ない」

だから、マレーシアにいて、頑張る。 この部分は共感する。
自分がやりたいことを全てできて、全てが思い通りになる、
そんな世界はない。でも、少しでもそれに近いものを
得られるように努力をする用意がある(したくなくても)、
というのは生きる上で大事な要素だと思う。それが例えば
住む国を一時的に変える、とかいう事も選択肢として取りえる。
画像 967

別に全ての人がこれをすべきとも思わないし、
それぞれが自分の生存戦略の元で決断して
生きていけばいいと思う。でも
目標を実現するために、
あなたは何かを犠牲にできますか?例えば、日本の生活とか?

 とりあえず、彼と
これからも一緒にバスケをできるのが楽しみだ。