やのなのねのblog

学校教員→通訳学校→インドのIT企業で通翻訳(日本語スペシャリスト)→日本・マレーシアの合弁アニメ系企業で通翻訳(通訳多め、トランスレーター)→シンガポールの日系メーカー(通訳専属)

2013年07月

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もりぞおさん @mota2008 の新刊が出た。個人的には本屋で立ち読みして
済まそうかと思ったけど、親が「是非読みたい」というのでamazonで買った。

「あーインドネシアのこの感じ、
インドで仕事していた時もこんな事あったなぁ」

とフラッシュバックに近い感じであの日の記憶が蘇る。

本の中で紹介している国に訪問したことがあったので、

「そうそう、こんな感じ!」

と小ネタで笑った。共感する事がとても多かった。
文体もとても読みやすく丁寧に作ってある印象がした。

学生時代にバックパックで東南アジアを旅行した経験がある人は、
きっと何かしらツボがを刺激される事と思う。

セカシュー

という軽いフレーズ。本当にそれくらいでいいと思う。

私はなんだかんだでインドで2年仕事して、
5月中旬からほぼ2か月マレーシアとシンガポールで
二度目の海外就職の為、就活した。2ヶ月でほぼ20万円使い、
無事就業先は日本・マレーシアの合弁アニメ会社に決まった。
日本で7月一杯研修、8月から向こうで仕事になった。

就活経験は電子書籍で別な形で発表するとして、
実際にやってみて色々感じた事を3点にまとめた。

①月10万円で就活可能なら、地方出身者には
東京で就活するより安いんじゃない?

特に関西圏だとエアアジアは尚更安く、
メンタリティとしても関西系の人の方がアジアには
あっているのではないかなぁという感じがする。

②軽いノリで行くのも全く問題ないと思う。

 私の知り合いにも、1〜2年インドで仕事をして

日本に帰国、普通に仕事をしている知り合いもいる。

もはや海外就職とは 

「現地に骨を埋める」

みたいなひと昔の移民では全くない、というのはこの本を
読めばわかると思う。キャリアを考える上での一つの選択肢、
それ以上でもそれ以下でもないなのだ。

③でも安易に行くだけでなく、キャリアなどを
 ちゃんと積む為に
計画的に出る目線も大事

私は教員を辞めて通訳翻訳の
実務経験を積むため
インドで就職した。仕事は「翻訳」がメインだった。
なので次の仕事では「通訳」にこだわった。
この辺は今後の
通翻訳の労働市場を考えると
必要な変化だと思ったので決断した。

実際今の会社で研修のため日本で会議に出席していても、
マレーシアでは私の通訳業務がほぼパンパンになるのは
ほぼ確定。むしろオーバーフロー間違いない位、通訳業務を
求められる事になりそうな感じだ。

これはキツイけど、嬉しい環境だ。 

日本で一歩一歩キャリアを積むのも大事だし、それを
否定はしない。でも正直、日本市場から見たら私は通訳として
力も経験も不足しているのは、自分が一番分かっている。

現地では「通訳」は私しかいない。だからいいのだ。

力不足だから、といって日本で高い競争率の中でポジションを
待つのも手だ。でも今の就業先で努力を重ねて壁を乗り越えれば、
日本で着実にキャリアを積み上げるよりも早く上に行けるのではないか?
と思ったのでこの道を選んだ。最初の一年はかなり苦しそうだけど。

失敗するかもしれない、想像をはるかに超えた現実に
打ちのめされるかもしれない。でも、それも経験だ。
失敗できないと考える前に、とりあえずよさそうなものがあれば、
思いっきりそれに賭けてみる、そういう道もありだと思う。 

そんな自分の状況は、インドに行く前の自分と何も
変わっていない挑戦者だ。それでいいと思う。

この本では、そんな同じ目線に近い挑戦者の頑張りが
見られたような感じがして、ちょっと嬉しかった。

海外に出て全ての人が成長できるわけでもない。
でも、成長するきっかけは山のようにあり、
そのきっかけは日本で得られるものとまた違うものだ。

スマホがない時代をもはや忘れてしまった人がいるように、
家の近くで建物の解体工事が終わるとあっというまに
前の風景を忘れてしまうように、海外就職が日本の
労働市場に旋風を起こしてくれれば、と期待している。

人生を主体的に楽しむには、本当に面白い選択肢だと思う。
海外就職を選んだ一人一人にドラマは生まれる。
それを楽しめるかどうかは、結局は本人次第だ。
やりたい人だけが静かに実行する、その人数が
増えることを個人的には願っている。 


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何の変哲もないマクドナルドのセットです。若干ハンバーガーが
小さいかなぁと感じるくらいでしょうか。

問題です、このセットいくらでしょうか?

参考までに、クアラルンプールで屋台系の店で
ご飯を食べると、5〜7RM(150〜210円)位です。また、
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日本食の鉄板焼きが9.9RM(約300円)です。

正解は
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これです。ほぼ6RM(180円)。といっても税金が加算されて
6.3RM(200円)位です。元はほぼ10RM。これ、安いと思いません?

それも、ランチタイム12〜3時と夕食時間の6〜9時のメニューです。
これを両方の中間のすきま時間、3〜6時に持ってくるなら理解は出来ますが、
なぜ敢えて稼ぎ時に安い物を持ってくるのか、不思議です。

シンガポールもタイも、確かベトナムも、食費に関しては大体が

屋台飯 <ファーストフード<(多少ローカライズされた)日本食

なんですよ。じゃあ、これはマクドナルドだけかというと違います。
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バーガーキングも同じような価格帯の物を出してます。
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 ウエンディーズに至っては更に安い値段で24時間提供。税込6RM(180円)

ケンタッキーのセットも、税込6.3RM(約200円)
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米は、いわゆるチキンライスの米とコールスローと
オリジナルチキン、飲み物はマウンテンデュー。

さらにサブウェイまで
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若干他より高いですが税込7.3RM(220円)
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と言っても、もちろん全部最安のセットを頼めばの話。

ファーストフードで普通のセットは8RM〜13RM(240円〜420円位)です。 
この価格帯が私の感覚では普通なのですが、なぜほぼ半額の
セットを出しているのかが腑に落ちません。

仮説① マレーシア人は比較的ファーストフードを食べない?

屋台ご飯が好きで、ファーストフードをあまり食べない?
あながち間違っていないかもですが、客の入としては
そんなに悪くなく、結構入ってる印象です。みんな最安の
物を食べているわけでもありません。

仮説② 量を少なくして女性向けをアピール?
マクドナルドは、クルーに女性をいれたそうな感じはします。
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マレーシアで素晴らしい雇用者としてマクドナルドは
賞をもらってますよアピール。
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マレーシアでは、マクドナルドのマネージャーの半分が女性。
このへんは東南アジアの男は仕事しないという評判を考えても結構
わかるかもしれない・・・けど、そのために価格競争はしないはず。

③広告やマーケティングの一貫

長い目でみて、足を多く運んでもらう事を重視している?

ハンバーガーはビーフが中心ですが、宗教上の理由で
牛肉を食べない人もいそうです。そのあたりで、ニュートラルな
鳥肉を安く売っておくことで牛肉を食べられない人にも
マクドナルドに来ても大丈夫、と思って慣れてもらう為。

④現地調達の素材で安く仕入れができる

途上国での調達価格だと安いから、
原価低下の還元なのでしょうか?

だれかこの辺ご存知の方がいらっしゃったら、
クリアな回答を希望です!

おまけ

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東南アジアのファーストフードでは、大体ケチャップとチリソースを
セルフサービスで出しています。最近のお気に入りは、ケチャップ:チリを

6:4

で混ぜたものです。混ぜるな危険と書いてないので、ちょっと辛いケチャップが
欲しい場合は6:4位をオススメです。最初は8:2位から実験がいいかも。
両方を一つの皿に出したら、堅めのポテトでかき混ぜればOKです。辛さが増すと、
意外にポテトが美味い。興味があるかた、是非お試しください。 
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ちょっと時間があきましたが、前回の続きです。

日系企業が作ったスタジアムを借り切っての大盆踊り大会
in クアラルンプールには、多くの人が集まっていました。

↓この写真の中でダンボールが積み上げられていますね。
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じつはこれ全部、無料配布のうちわです。
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積んである段ボールの箱に書いてある企業名から推測すると、
多分ローカル企業に発注。マレーシア産の団扇。
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ゆかたの子供も大喜び?

何といっても、ここで食べられるものは、基本的に日本の
盆踊りなどで食べられるものとほぼ同じです。ガチ日本食。
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豚汁が5RM(150円)
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こんな感じで屋台というか露店で売ってます。それも
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日本人とマレー人が一緒に作って、売ってます。
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値段は現地の相場からすると若干高いですが、
焼きそばで10RM(300円)なら、まぁ日本の相場から
するとOKではないでしょうか。枝豆5RM(150円)とか。
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この値段で本場の日本のお祭り気分を味わえる事もあって、
売り場はどこも長蛇の列。頑張って作ってくれてます。
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ちなみにAsahiとか日系ビールのみならず、ベルギービールとかも
7RM(210円)とかで飲めます。普通にビール片手に飲みながら
歩いても大丈夫です。イスラム教国という括りはここはほぼナシでした。
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こんな感じで芝生の上に座って食べてます。ところどころに
ゴミ箱がちゃんと置いてあるあたりが日本クオリティ。
イベント開催のノウハウが生かされてるなぁと静かに感動。
参加者でも、お行儀の悪い人は特にみませんでした。

他、気になった事といえばここに来る客層です。

①KL在住の日本ファンまたは日本人
②基本お金がある人(特に中華系)
③ハレの日だけあって消費意欲が強い

といった感じですから、ある意味では新製品のローンチや商品の
アピールには最適と行ってもいいほどお膳立てができているわけです。
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すき家は、KLでの初の営業がこの盆踊りだと自分たちで言っていた
ように記憶しています。これからシンガポールの吉野家の様に
ここで更にオペレーションを広げようという狙いでしょうか。
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キューピーマヨネーズは、マヨネーズを数種類持ってきてました。
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野菜やパスタでの和え物にどうぞ!という感じの売り出し方で
試食もやっていました。若干日本を意識して薄味だったような
気がしますが、普通に美味しかったです。さらに
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和え物の中にホクトのキノコがありました。イオンでホクトの
きのこを見たので 、これも更にアピールしたいのでしょう。
さすがにマレーシア現地生産はまだ難しいだろうから 空輸でしょうか。
他にもミスドやビアドパパ、各種日本のお菓子を売っていたりしてます。

個人的には、一見さんとして日本人旅行者がくるのもいいのですが 、
マレーシアの人たちと在留邦人の架け橋としての今のポジションが
ベストなのではないかなぁと思っています。 日本を感じられる
とても良い催しものでした。マレーシアでも、更に頑張れニッポン!!

追加) 翌日朝早くに用事があったり、参加者の数から推測するところ、
多分帰りのスタジアム→最寄駅のピストンバスがヤバイ位混むだろうから、
夜8時頃に抜けて来ました。あの後、みんなどれくらいまでいたのか、
バスは何本くらい用意してあったのかが凄く気になる。
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クアラルンプールでなんと盆踊りが開催されていたので行ってきました。

日系企業がマレーシアに作ったスタジアムを開放して、
グランドのど真ん中に櫓を組み立て、盛大な盆踊り!
という日本・マレーシア交流の素晴らしい企画です。

スタジアムだけに、こんな感じでスタジアムのポールがあったりします。
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この写真が、本格さを物語っています。太鼓もいい音をしています。
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とても驚いたのは、マレーシア人(特に女性)の浴衣を来てくる率が
結構高い点です。それも、ちゃんと帯に団扇をさしてます。わかってる!!
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なんじゃこの春麗(チュンリー)みたいなローカライズ浴衣は!
という感じもするものを着ている人もいます。
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立ち入り禁止のバリヤーが、陸上のハードルなのがなんか面白い。

あと、このひょっとこっぽいオペラ座の怪人系のお面が何か海外っぽくて好き。
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「必勝」「神風」といったハチマキを売っていたりも。
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会場で驚いたのは、とにかく参加者が多い事です。
ローカルのマレーシア人がとても多く参加してます。
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そしてみんな純粋に楽しんでいます。

「東京音頭」などの盆踊り音楽がはじまると、人が櫓の周りに集まります。
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舞台の上には浴衣の日本人がいて、お手本をしめします。
写真をとる人もいれば
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お手本をみて一生懸命踊る人も。みんな踊ってます。
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夕方〜夜になるにつれてだんだん人が増えてきます。
下手な地方自治体主催の盆踊りより参加者が多い!
そしてこんなに多くの人が一緒に盆踊りをしています。
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一緒に行った人によると、その人は日本ファンの同僚が

「凄く多くの人がくるから、絶対オススメですよ!」

と勧めてくれたので来てみたら、まさかこんなに来ているとは・・
という感じだったそうです。私も本当に驚きました。
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踊ってるけど、スタジアムにも多くの人がいます。
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これをみてふと思ったことがあります。

「日本人は、こういう時に踊るのかな?それとも見てるのかな?」

結構日本人がスタジアムにいて、マレーシア人が踊ってる
っていうのがありがちなシナリオなのでは?でも、それって
本来逆じゃね?日本人どうなってんの?と感じました。

多分、私の世代の日本人は、「昭和」な空気がものすごくする
盆踊りに参加して踊るなんて事はほぼ経験していない人もいる
のではないでしょうか。少なくとも私はしたことがありませんでした。
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しかしこの場に来ると、日本人としていたたまれない感覚と、
純粋に、楽しそうに盆踊りをしてるのを目の当たりにすると

いいなぁ、楽しそう

と思い、私も参加しちゃいました。

町や人の空気から昭和の香りがする東南アジアで、昭和の
香りがする盆踊り。盆踊りで食事しかしたことの無かった私には、
このマレーシアのクアラルンプールが人生初「盆踊り」体験でした。
そして、超楽しんじゃいました。盆踊り、結構楽しい。

ってか東京音頭、難しいし(苦笑)

あと盆踊りって、本来の仕組みとしてはかなり人を巻き込むのに
いいんですよね。お手本のマネをするだけで誰でもある意味
参加できて、流れがわかると自分も一緒にやっている感覚が
持てて、ちょっと嬉しい。一体感が生まれやすいんですね。

それと、盆踊りといえば屋台なのですが、
みんなこんな感じで座って飲み食いしてます。
そのあたりは次の記事でまとめたいと思います。
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ずっと海外の安宿にいると、中で仕事をしている人の事が見えてきます。
海外の安宿は、主に3層の人で構成されています。

1層・宿のオーナー
2層・カウンター業務
3層・掃除など雑用

ここで各層に求められる仕事と能力は以下の通りで、
( )内は、私がいる宿の人数です。

1層・宿のオーナー (1人)

市場調査
価格・サービスの設定
資金と建物を提供する
外部業者への各種支払資金を滞りなく用意する
業務フローの作成
客からの要求を受け入れるか拒否するかの意思決定
全責任を取る

2層・カウンター業務 (2人)

言語が得意(英語はマスト)
コミュニケーション能力があり、客にマイナスの印象を持たせない
お金の管理・領収書の発行
誰をどこのベッドに入れるか等の予約管理
そのほか各種事務作業
電話対応

3層・掃除など雑用 (1人)

部屋・トイレなど掃除
洗濯
2層からの指示に従って作業をする
シーツ取替
自分と1・2層用の食事作り

一人25RMで30人泊めるとして、一日の売上は750RM。
30日で単純計算すると22500RM(675,000円)です。

 マレーシアの給料相場を考えると掃除の人は一月1500RM位で、 
カウンターの人が3000RMくらいだと勝手に仮定します。

7500RMが人件費、支払いで5000RM、残りの10000RMが
オーナーの取り分かなぁと思います。やはり地主最強だわ。

この職場のポイントは、私もメールやブログを書くので
宿にいる時間が多いですが、従業員もオーナーも住みこみで、
従業員は本当にいつでも建物の中にいることです(変な話24H労働です)。

そんな中で仕事をしている量は

0.2 オーナー 
3.3 カウンター 
6.5 雑用     

という感じです。 オーナーはどっかにいったっきり帰ってこなかったりします。
こうなると

「雑用の人かわいそう」
「搾取だ」
「ブラック過ぎる」 

と反応が出そうですが、これでも成り立って、回ってます。
まぁ1~2年で入れ替わり立ちかわり、といった感じかもですね。

それと、これで「定期昇給」を提供できるか?といえば、Noでしょうね。 
30年ここで仕事をしても、対物価で考えた実質賃金で給料が倍になる
事は無いでしょう。それはカウンターも雑用も多分同じ。

雑用の人にとっては、自分の環境が 嫌なら転職(ただ、多分
次の職場でもたぶんやることは同じ)OR英語できるようになって
カウンターのポジションを狙うくらい、というのが事実かなぁと思います。
でも職務によって給料も待遇も分かれるから、仕方無いと思います。

エアコンきいた所に住めて、食事も出て、給料ももらえる。
ほかに何を望めるか?というレベルがある意味で途上国の
現実かなぁと 思います。給料は私の想像よりも低い可能性も。 

これって使い捨て?どうなんだろう。でもまぁ、途上国大変だなぁと思います。 
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